3分でわかる技術の超キホン ものづくりにおけるIoTとは?
目次
IoTとは?
IoTは、”Internet of Things”の略で、「あらゆるモノ(Things)にインターネット(Internet)をつなげる」という概念です。
インターネットが発達して、世の中は様々に変化してきました。パソコンやスマホを使って、世界中のさまざまな情報にアクセスできます。
IoTは、そのインターネットの新しい活用方法の一つです。これは、モノ自体を直接インターネットと接続して、モノづくりやモノの活用に直接的にインターネットの情報の力を活用しよう、というものです。
これまでは、インターネットに情報を上げたり、情報を閲覧して活用する事自体は、人によって行われていました。
それを、ダイレクトにモノをインターネットとつなぐことによって、活用できる情報量の増大、解析や計算の高速化や複雑化、人の作業の負担の軽減などが実現します。
それによって、新しいものづくりの価値や、サービスが生まれてくることが期待されます。
IoTの”ものづくり”への活用
IoTのものづくりへの活用は、次の3つのステージを進むといわれます。
(1)ものづくりの可視化ステージ
モノから取得したデータを分析して、状況を把握したり、異常を検出したり、傾向や挙動などのリアルタイムな情報や分析結果を得たりといった事ができます。
これまでは、人の感覚であったり、勘や経験といった形でとらえられていたものが、データとして見えるようになります。
様々なデータを取得するためのセンサーや測定器、データを伝送する通信技術の開発が大切な要素となります。また膨大な情報を処理できる情報処理技術も欠かせません。
(2)ものづくりの改善ステージ
可視化された情報や、分析結果を活用して、ものづくりの仕組みや動作などをより合理化・効率化するよう改良することに役立てることができます。
リアルタイムで取得されるデータがインターネットを通じて各種データベースに蓄積され、膨大なデータが設計にフィードバックされ、一連の技術開発の流れがスピードアップします。
シミュレーションや解析の技術の高度化も欠かせない要素となります。
(3)ものづくりの自動化ステージ
ものづくりのプロセス改善の流れを、システム自体が自動的に行います。
生産プロセスの合理化はもちろん、優れた性能の実現や、新しい製品の実現にも貢献します。
ここではビッグデータを活用してプロセスの改良を行う、人工知能(AI)の活用が欠かせません。
以上のように、IoTというのはものづくりの仕組みを飛躍的に高度化させることが期待されますが、その中身は、センサーや計測器、ビッグデータの解析、シミュレーション、人工知能など、様々なソフト・ハードの技術をフル活用して実現する、新しいものづくりの形といえるでしょう。
IoT導入にあたって「ものづくり現場を担う技術者」に求められる役割
これまで説明したように、IoTはソフトとハードの様々な技術を駆使しますので、IoTの導入を進めるには専門的な知識や経験が必要といえます。
しかし、現実にものづくりの現場の技術者が、IoT導入の専門家になる必要はありません。システムの開発や導入を専業とする事業者がいます。
ただし、そのシステム事業者の多くは、その工程がIoT導入によって何をしたいのか、どのような点がポイントなのかを、はじめから理解しているわけではありません。
ものづくりの現場を担う技術者は、IoT専門家になる必要はありませんが、IoTのキホンを理解して、IoT導入の方針や狙いを明確にして、仕様を決める主導的な役割を担う必要があるのです。
IoTの理解を深める近道は?
IoTについて解説した書籍は多数出版されています。ただし、書籍を読むだけで完全に修得することは難しものです。
現場で実際にIoTを導入する経験を重ねることで、その中身を理解していくことが必要です。
IoTについて理解を深めるには、実際に触れてみることが大変有効です。
例えば、小型の電子工作キットを活用して、その仕組みを理解することもできます。
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