【分析化学を学ぶ】HPLCの定性分析/定量分析(絶対検量線法, 内標準法)

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HPLCの基礎知識

HPLC(高速液体クロマトグラフィー)の基礎知識として、今回は定性分析と定量分析についてご紹介します。

 

1.HPLCの定性分析

定性分析は、同じ分析条件標準試料と分析対象成分のクロマトグラムの保持時間を比較し、試料を同定します。ピークに他成分が混ざっていないことを確認するため、固定相の変更、移動相を変えるなど分離条件を変えて測定します。

クロマトグラムの保持時間を比較

 

2.HPLCの定量分析

定量分析は、試料中に分析対象成分がどれくらい含まれているか、検量線を用いて算出を行います。
定量には絶対検量線法と内標準法などがあります。
詳細は「高速液体クロマトグラフ分析のための通則」(JIS K 0124:2011)をご覧ください。

 

(1)絶対検量線法(外部標準法)

絶対検量線法では、濃度既知の標準試料から作成した検量線を用いて、目的試料の濃度を算出します。

まず、濃度を変えた標準試料を調整、測定します。
次に、得られたピーク面積を縦軸に、濃度を横軸として検量線を作成します。
そして目的試料を同条件にて測定し、検量線から試料中の濃度を算出します。

絶対検量線では注入誤差・調製誤差の影響が大きいため、操作は厳密に一定条件となるように測定します。

 絶対検量線法(外部標準法)

 

(2)内標準法

内標準法は、標準試料と内標準物質のピーク面積比と濃度比を用いて検量線を作成し、目的試料の濃度を算出します。

まず、濃度を変えた標準試料に一定量の内標準物質を添加した希釈液を調整し、測定します。
次に、縦軸は標準試料と内標準物質のピーク面積の比を、横軸は標準試料と内標準物質の濃度比として検量線を作成します。
そして一定量の内標準物質を添加した目的試料を同条件にて測定し、検量線から試料濃度を算出します。

内部標準法では比を用いて定量を行うため、試料の注入誤差、調製誤差が低減します。
内標準物質は試料中に含まれていない成分で、目的ピークと完全分離する、化学的に安定な物質を使用します。

内標準法

 
以上、今回はHPLCによる定性分析・定量分析について簡単に解説しました。

 
(日本アイアール株式会社 特許調査部 Y・I)

 


≪参考文献・サイト≫


 

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