化学物質ばく露濃度管理とそのポイント【提携セミナー】
開催日時 | 未定 |
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担当講師 | 荒木 明宏 氏 |
開催場所 | 未定 |
定員 | - |
受講費 | 未定 |
★リスクアセスメント手法の基本である、ばく露濃度とばく露限界を用いる手法を理解する。
化学物質ばく露濃度管理とそのポイント
≪「化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針」、
「化学物質による健康障害防止のための濃度の基準の適用等に関する技術上の指針」を踏まえて≫
【提携セミナー】
主催:株式会社情報機構
厚生労働省は、令和4年5月31日に厚生労働省令第91号を公示し、令和6年までに「化学物質への理解を高め自律的な管理を基本とする仕組」に舵を切った。自律的管理の基幹となるリスクアセスメントが義務付けられる通知対象物質(リスクアセスメント対象物:以下対象物という)は令和8年4月1日までに2400物質程度にまで拡充されることとなった。対象物質については、令和5年4月1日より、安衛則577条の2 第1項の規定により、代替物の使用、発散源を密閉する設備、局所排気装置又は全体換気装置の設置及び稼働、作業の方法の改善、有効な呼吸用保護具を使用させること等の必要な措置を講ずることにより、労働者の対象物へのばく露の濃度を最小限にすることが義務付けられている。また、安衛則577条の2 第2項の規定により、代対象物のうち、ばく露限界とそのばく露濃度測定が可能な67物質について厚生労働大臣が定める濃度の基準(以下濃度の基準という)が定めら、令和6年4月1より、濃度の基準が定められた対象物を製造、取り扱う屋内作業場の労働者のばく露の程度を濃度の準値以下にすることが義務付けられることとなった(令和5年4月27日 厚生労令働省告示第177号)。濃度の基準は今後800物質ほどが公示される予定となっている。なお、作業環境測定結果の評価に用いる厚生労働大臣が定める濃度として管理濃度が定められているが、管理濃度は濃度の基準とは異なるもので、自律的管理における濃度の基準は、特別規則の適用のある物質に濃度の基準は設定されていない。
令和5年4月27日 厚生労令働省告示第177号の通知に伴い、令和5年4月27日に「化学物質による健康障害防止のための濃度の基準の適用等に関する技術上の指針」(以下技術上の指針という)ならびに「化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針(改正 令和5年4月27日)」(以下リスクアセスメント指針という)が発出された。技術上の指針では、濃度の基準およびその適用、対象物へのばく露の程度が濃度の基準以下であることを確認するための方法、ばく濃度の測定における試料採取方法及び分析方法、有効な保護具の適切な使用方法等について具体的に示されている。
技術上の指針においては、使用する全てのリスクアセスメント対象物について、危険性又は有害性を特定し、数理モデルの活用等を含めた適正な手法で、ばく露の程度を把握した上でリスクを見積もる。濃度の基準が設定されている物について、リスクの見積りの過程において、労働者のばく露の程度が濃度の基準を超えるおそれがある屋内作業を把握した場合は、ばく露の程度が濃度の基準以下であることを確認するための測定(確認測定)を実施する。濃度の基準が設定されていない物についても、リスクの見積りの結果、一定以上のリスクがある場合等、労働者のばく露状況を正確に評価する必要がある場合には、ばく露濃度の測定(リスクアセスメントによる測定)を実施することが望ましいとされ、これらの結果を踏まえて、危険性又は有害性の低い物質への代替、工学的対策、管理的対策、有効な保護具の使用という優先順位に従い、労働者が対象物へのばく露の程度を最小限度とすることを含め、必要なリスク低減措置を実施する必要がある。
有機則、特化則等の特別規則の適用のある物質については、測定した作業環境中の濃度を管理濃度で第1、第2、第3管理区分に分けて評価し、作業環境の改善等を実施してきた。しかしながら近年、第3管理区分に該当する事業場が増加傾向にあることから、令和6年4月1日より第3管理区分の事業場への対策の強化が行われることとなった(令和4年5月31日 省令91号)。改善措置により第1、第2管理区分にすることが困難な作業場においては、有効な保護具の使用による対策が認められることから、第3管理区分における保護具選択のための測定方法(厚生労働省告示第341号 令和4年11月30日)が定められた。
本講座においては、「化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針」、「化学物質による健康障害防止のための濃度の基準の適用等に関する技術上の指針」を踏まえて、確認測定における個人ばく露測定、リスクアセスメントにおける個人ばく露測定、作業環境測定における定点測定(A B測定)と個人サンプラーを用いた測定(C D測定)、第3管理区分における保護具選択のための測定について紹介する。
◆受講後、習得できること
- 規則の改正概要(リスクアセスメントを主体とする自律的管理)
- 職業ばく露限界とその設定方法の概要
- 作業環境測定とその評価方法の概要
- 個人ばく露測定とその評価方法の概要
- ばく露低減対策について
担当講師
日本ケミカルデータベース(株)レギュラトリー・コンプライアンス・サービス部非常勤
日本大学生物資源科学部応用生物科学科 非常勤講師
中央労働災害防止協会 労働衛生調査分析センター 元副所長
農学博士 荒木明宏 先生
■主経歴
1977.04-1980.03 中央労働災害防止協会、中国四国安全衛生センター:作業環境測定業務
1980.04-1982.10 同協会 労働衛生検査センター:毒性試験業務
1982.11-2005.03 同協会 日本バイオアッセイ研究センター:変異原性試験業務
2005.04-2021.03 同協会 労働衛生調査分析センター:化学物質リスクアセスメント受託、労働安全衛生教育、SDSの読み方・活用研修、化学物質リスクアセスメント研修、有害性調査受託、ばく露実態調査受託、モデルGHS分類/SDS作成、経皮ばく露実態調査受託など
2012.04-2017.03 日本大学生物資源科学部応用生物科学科 非常勤講師:特別講義Ⅲ(化学物質管理)
2017.04-現在 同大学学部同学科 非常勤講師
2018.11-2020.12 日本ケミカルデータベース(株)コンテンツ・サービス課 非常勤
2021.01-現在 同社 レギュラトリー・コンプライアンス・サービス部 非常勤
■本テーマに関する業界団体での活動
厚生労働省委託事業(2009~2012)によるモデル分類・モデルSDS作成
厚生労働省委託事業(2009?2012)による有害性評価
厚生労働省委託事業(2009?2018)によるばく露実態調査
厚生労働省委託事業(2018?2020)による経皮ばく露実態調査
執筆・監修「ラベル・SDSの読み方・活かし方」、「テキスト 化学物質リスクアセスメント」「化学物質による爆発・火災を防ぐ」中央労働災害防止協会
■専門分野・研究
化学物質の有害性評価・主な研究業績
Araki A, Kamigaito N, Sasaki T, Matsushima T. Mutagenicity of carbon tetrachloride and chloroform in Salmonella typhimurium TA98, TA100, TA1535, and TA1537, and Escherichia coli WP2uvrA/pKM101 and WP2/pKM101 using a gas exposure method. Environ Mol Mutagen 43 (2), 128-133. 2004. 他
化学物質のばく露評価/リスクアセスメント・主な研究業績
Higashikubo I, Arito H, Ando K, Araki A, Shimizu H, Sakurai H. Control Banding Assessment of Workers’ Exposure to Indium and its Compounds in 13 Japanese Indium Plants. Jornal of Occupational Health 50(3), 263-270. 2018. 他
セミナープログラム(予定)
1.規則の改正概要
1.1 リスクアセスメントを主体とする自律的管理の概要
1.2 厚生労働省大臣の定める濃度の基準
1.3 濃度を濃度基準値以下にする義務
1.4 ばく露低減措置の意見聴取・記録作成・保存
1.5 リスクアセスメント等に関わる記録の作成・保存
1.6 特別規則の適用除外による自律的管理への移行
1.7 第三管理区分(作業環境測定結果)事業場の措置強化
1.8 労災発生事業場への監督所長の指示への対応
2.職業ばく露限界値
2.1 職業ばく露限界値(日本産業衛生学会、OSHA、HSE、NIOSH、ACGIH、他)
2.2 運用における注意
2.3 基準値設定方法の概要(疫学データ、動物試験データ)
2.4 発がん性物質の取扱
2.5 作業環境測定結果の評価に用いられる管理濃度
3.分析方法の概要
3.1 携帯用ポンプとサンプラー
3.2 開発されている分析手法(ばく露評価推進事業、OSHA、NIOSH、その他)
4.作業環境測定とその評価の概要
4.1 AB測定とその評価方法
4.2 CD測定とその評価方法(個人サンプラーを用いる方法)
4.3 がん指針で用いられている評価方法
5.個人ばく露測定とその評価の概要
5.1 リスクアセスメント指針での位置付け
5.2 日本産業衛生学会で示された個人ばく露測定方法
5.3 作業環境CD測定に準じた方法
6.ばく露低減対策の概要
6.1 規則で示されたばく露の程度を最小限度にする方法
6.2 リスクアセスメント指針に示されているリスク低減策
6.3 専門家の活用
(質疑応答)
公開セミナーの次回開催予定
開催日
未定
開催場所
未定
受講料
未定
備考
配布資料・講師への質問等について
●配布資料はPDF等のデータで送付予定です。受取方法はメールでご案内致します。
(開催1週前~前日までには送付致します)。
*準備の都合上、開催1営業日前の12:00までにお申し込みをお願い致します。
(土、日、祝日は営業日としてカウント致しません。)
●当日、可能な範囲で質疑応答も対応致します。
(全ての質問にお答えできない可能性もございますので、予めご容赦ください。)
●本講座で使用する資料や配信動画は著作物であり
無断での録音・録画・複写・転載・配布・上映・販売等を禁止致します。
お申し込み方法
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