高性能な化粧品開発のための乳化・可溶化の基礎と最新技術/化粧品応用事例【提携セミナー】

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開催日時	未定
担当講師	渡辺啓氏
開催場所	未定
定員	-
受講費	未定

☆化粧品開発に長年携わってきた講師だからこそわかりやすい乳化・可溶化の基礎知識

☆基礎理論だけでなく、最新技術を応用した化粧品開発事例まで

高性能な化粧品開発のための

乳化・可溶化の基礎と最新技術/化粧品応用事例

【提携セミナー】

主催：株式会社情報機構

乳化によって生成するエマルションは熱力学的に非平衡系であり、温度、圧力一定の条件下においても時間の経過とともに状態は変化し２相に分離する。一方で、可溶化によって生成するマイクロエマルションは平衡系であり、上記条件下においては状態が変化しない。このように両者は本質的に異なる系であるが、エマルションの調製・安定化を考えるうえでマイクロエマルションの物性を理解することが役に立つ。本講演ではまず、マイクロエマルションとエマルションの基礎を整理する。その後、化粧品技術者が知っておくべき代表的な乳化・可溶化研究を解説し、演者らによる研究例を紹介する。

◆　受講後、習得できること：

エマルションとマイクロエマルションの違いやそれぞれの物理化学的特徴について理解ができる
エマルションの調製・安定化とマイクロエマルションの関係について理解できる
代表的な乳化技術について原理を理解できる。
乳化技術および可溶化技術の化粧品への活用に際してのポイントを理解できる。
乳化研究の現状の課題と研究立案の方向性を理解できる。

担当講師

武庫川女子大学薬学部　教授（元資生堂）渡辺啓氏

■経歴
界面活性剤の著名な研究室である横浜国立大学篠田耕三・国枝博信研究室で学び、1991年修士課程修了、2008年同大環境情報学府にて博士号（工学）を取得。修士取得後、株式会社資生堂に入社、スキンケア化粧品および洗浄剤の製品化、基礎研究に従事。2023年4月より武庫川女子大学薬学部化粧品科学講座教授。
この間、1994年に東京理科大学片岡一則研究室、1999年にドイツバイロイト大学ハインツホフマン研究室に留学して両親媒性物質の特異な会合挙動に関する研究を行う。
また、大妻女子大学および明治薬科大学にて非常勤講師を務め、現在は東京理科大学　総合研究院界面科学研究部門客員教授を兼務する。

■専門および得意な分野・研究
スキンケア化粧品・洗浄剤処方の科学、会合体の科学、乳化（高内相乳化、微細乳化、αゲル乳化）・可溶化（バイコンティニュアスマイクロエマルション相、スポンジ相）

■本テーマ関連学協会での活動
日本化粧品技術者会、日本油化学会、日本化学会コロイドおよび界面化学部会にて役員として活動

セミナープログラム（予定）

1.界面活性剤の基礎的挙動
1）非イオン界面活性剤
a)　構造と代表的用途
b)　曇点
2）イオン性界面活性剤
a)　構造と代表的用途
b)　クラフト点
3）親水-親油バランス（HLB）

2.乳化・可溶化を理解するための重要事項
1）乳化の基礎
a)　乳化破壊の三種のプロセス
b)　乳化と界面自由エネルギー
c)　乳化型の決定
d)　特殊な乳化系（マルチプル乳化、高内相比乳化、ナノ乳化）
e)　乳化型と化粧品
2）可溶化の基礎
a)　ミセルによる可溶化
b)　可溶化部位（パリセードとコア）
c)　可溶化の相平衡図
d)　可溶化系を用いた化粧品

3.可溶化系の制御により開発された微細乳化技術
1）転相温度（PIT）乳化法
a)　転相温度を含む相平衡図
b)　乳化のプロセスと粒子径、安定性の関係
2）可溶化領域からのナノ乳化調製法
a)　可溶化領域内の会合状態
b)　油/界面活性剤組成と粒子径

3.会合体を活用した乳化技術
1）液晶乳化
a)　相平衡図上の乳化プロセス
b)　化粧品への応用
2）αゲル乳化
a)　αゲルと液晶
b)　αゲルの評価法（示差走査熱量計（DSC）、小角X線散乱（SAXS）ほか）

4.特徴のある乳化技術（最近の研究事例と化粧品応用を中心に）
1）　SMT系αゲル乳化による電解質型薬剤の安定配合系
2）　超高内相比W/O乳化による水のはじける感触の付与と均一塗布膜の実現
3）　ベシクル/ディスク構造転移による界面膜構造を有するO/W乳化

5.特徴のある可溶化技術（最近の研究事例と化粧品応用を中心に）
1）　バイコンティニュアスマイクロエマルション（BME）相メイク落とし
2）　濡れた手でも使用できるクレンジングオイル（逆ミセル油溶液）
3）　イオン性界面活性剤をハイブリッドしたBME相による泡状メイク落とし
4）　スポンジ相を利用したクレンジングローション
5）　ポリエーテル変性シリコーンのベシクルを利用した化粧水

＊)SMT：ステアロイルメチルタウリンナトリウム