知的財産を守るための実験ノートの書き⽅と管理(セミナー)
開催日時 | 未定 |
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担当講師 | |
開催場所 | Zoomによるオンライン受講 |
定員 | - |
受講費 | 未定 |
知的財産を守るための
実験ノートの書き⽅と管理
講座概要
研究開発を⾏う企業において、実験ノートの適切な記載や管理は、将来の知的財産としての権利化や権利の維持において必須の作業とされている。
しかしながら、多くの企業の開発現場では、実験ノートの重要性や書き⽅および管理についての体系的な教育がされていないために、実験ノートが適切に記載されず、⾃社で⽣まれた発明の適正な評価や発明者の権利の保護がされないリスクや不正の温床となる懸念も⽣じている。
本講習では、企業内研究者や研究開発マネジメントを⾏う担当者を対象にして、発明の創作過程を記録する貴重な資料とる「実験ノート」の⽬的、重要性および書き⽅を紹介し、共同研究プロジェクトにおいて⾃社および社内の発明者の権利を適切に保護するための留意点について具体的な判例を交えながら紹介する。
さらに、近年の⼈⼯知能(AI)やソフトウェアを利⽤した発明において、ソフトウェア開発者の発明に対する寄与を証明するための実験ノートの記載についても解説する。
セミナープログラム(予定)
1. 「実験ノート」とは何か
- 実験ノートは単なる実験ログの記録帳ではない
- 発明とは(特許法での定義)
- 発明の新規性と進歩性
- 実験ノートは発明の創作過程を逐⼀記録するもの
- 科学の偉⼈たちの実験ノート
- マイケル・ファラデーが42年間書き続けた実験ノート「Faradayʼs Diary」
2. 実験ノートに記載すること
- 記⼊⽇、実験の⽬的、実験の⽅法、結果、考察
- 再現性を後から検証できるように測定機器や材料の情報は詳しく記載すると良い
- 失敗した実験も必ず記録する
- 消えない筆記具で記⼊する(改ざん防⽌)
- ⽂字の修正⽅法
- 紙の貼り付け⽅
- 同僚や上司からもらったアドバイスも必ず記録しておく
- 電⼦的に保存された⽣データとの紐付けができるようにしておく
3. 実験ノートの重要性
- 実験ノートは発明者が本当に発明したことを証明する唯⼀の資料
- 研究不正「STAP細胞事件」が教えてくれたこと
- 実験ノートは企業だけでなく研究者⾃⾝を守ってくれるもの
4. 「発明者」とは何か
- 特許法の解説
- 論⽂の「著者」との違い(実験者が発明者にならないこともある)
- 研究者の上司が必ず発明者になるとは限らない
- 間違った発明者を届け出ると特許が無効になることも
- 共同研究の実務では発明者の特定が重要
- 発明者の認定にまつわる重要な判例
- 発明者を特定する助けになる実験ノートの記載とは何か
5. 発明をノウハウとして秘匿する場合
- 先使⽤権とは
- 先使⽤の要件(特許法79条)
- 実験ノートは⾃社オリジナルの発明であることを証明する重要な資料となる
6. AI・ソフトウェア関連技術特有の留意点
- AI・ソフトウェアを使⽤した技術の発明者は誰?
- 試⾏錯誤の結果⽣み出されたソフトウェアの開発者が共同発明者となることもある。
- ソフトウェア開発における試⾏錯誤も必ず実験ノートに記録しておく
7. 実験ノートの管理
- 実験ノートは組織共有の財産
- 実験ノート管理の指針
- 特許権は最⻑20年存続する
- 訴訟対応のために実験ノートを20年〜30年保管する必要があるケースも
- ⻑期間実験ノートを管理するために必要なこと
- 管理規定をしっかり策定しておく
- 情報の漏洩、コンタミネーションを防ぐための考え⽅
8. 実験ノートの電⼦化について
- 電⼦実験ノートのメリット・デメリット
主な受講対象者
- 主に企業の研究者
- 研究開発マネジメントを⾏う担当者
期待される効果
- 実験ノート(研究ノート、ラボノート)の正しい付け方を理解できる
- 研究公正・特許出願の観点いずれにおいても正しい研究成果の取り扱いを学べる
- 研究管理業務において研究成果の正しい保管方法を学べる
- 電子実験ノート導入の前提として知っておくべき実験ノート取り扱いの基本を理解できる
公開セミナーの次回開催予定
- 開催日時:未定
- 開催場所:Zoomによるオンライン受講
- 受講料 :未定
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※開催の場合は、開催1週間前程度から受講票と請求書を発送させていただきます。
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