- 《大好評》LTspice設計実務シリーズ
LTspiceで学ぶ電子部品の基本特性とSPICEの使いこなし(セミナー)
2024/12/5(木)10:00~16:00
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レーザープリンタは複写などで印刷速度が高速であるという特徴があるため、大量印刷に向いたオフィス向けの製品が主流でしたが、本体および消耗品が以前より低価格化したことも要因となり、近年は家庭用で購入される方も多くなりました。このため、このジャンルの品揃えも増えてきています。
今回はレーザープリンタについて知っておきたい基礎知識を、まとめて解説します。
目次
レーザープリンタは、当初米国ゼッロクス社で複写機として考案され、その後1970年代後半より、PCの周辺機器であるプリンタとして製品化がなされました。
さらにHP社が製品の廉価なものを市場に投入し、次第に多くのメーカーが市場に参入し拡大していきました。
レーザープリンタの印刷の原理は、一言でいえば「トナー」と言われる色材を用いて「感光体のドラム」に印刷イメージを作成し、これを用紙上に転写して定着を行うものです。印刷の仕組みを以下に示します。
レーザープリンタにおける基本的な印刷プロセスは以下の流れとなります。
では、各プロセスについてみていきましょう。
帯電ローラーにより、感光体ドラム上にトナーを載せるために均一になるように静電気を帯びさせます。
感光体ドラム表面にレーザービームの照射をポリゴンミラー経由で行い、印刷データの逆像パターンを形成します。レーザービームにより照射された部分は電荷が弱まります。また、露光にはレーザービーム以外にLEDなども使用されます。
感光体ドラム表面にレーザービームを照射した部分に対して現像ローラー上のトナーを接触させることで、電荷が弱まった部分にトナーが移動して付着させます。これで、感光体ドラム上に印刷の逆像パターンをトナーで形成します。
現像によって形成された感光体ドラムの表面の逆像パターンを、搬送されてきた用紙が通過する時に、用紙の裏面より逆電荷を転写ローラーにかけることでトナーを用紙上に正像パターン転写を行います。
用紙に転写されたトナーを定着させるため、定着ローラーに熱を加えると同時に加圧ローラーで圧量を加えて定着させます。トナー粒子が溶融された状態になります。定着手段には、熱のみ圧力のみや化学的作用による定着手段などもあります。
転写の際に感光体ドラム上に残されたトナーは、ワイパーブレードなどで付着電荷を除去することで残留トナーの回収が行われます。残留トナーは廃トナーボックスなどに収容されます。
レーザープリンタには、モノクロプリンタとカラープリンタの2種類があります。
トナーが黒のみを使用するのがモノクロプリンタであり、ページ単位で印刷することから「ページプリンタ」とも言われます。
一方、CMYKのトナーを使用するタイプがカラープリンタです。
特にカラープリンタでは、感光体ドラムを色毎に設ける「タンデム方式」と、各色に対して一つの感光体ドラムを回転させる「ロータリー方式」があります。
タンデム方式は高速ですがコストがかかり、ロータリー方式は印刷時間がかかりますがランニングコストを抑えられます。
カラープリンタにはその他に、帯電から現像までを転写ベルト上にそれぞれの色で行い、4色で構成された転写ベルトより用紙に転写を行う「中間転写方式」というものもあります。
レーザープリンタ選択のための性能比較としては、どのようなパラメータが挙げられるのでしょうか。
以下にそのパラメータの例を列記します。
印刷可能な用紙サイズは、A列/B列のどのサイズまでカバーしているか?
印刷速度は、1分間当たりの印刷枚数でモノクロ/カラーでどの程度か?
印刷解像度(dpi)はどれくらいか?
一枚当たりの印刷コストはどれくらいか?
トレーに何枚入るか?
メモリ容量はどの程度か?
レーザープリンタの消耗品としては以下のようなものがあります。
顔料などの色材を数ミクロンの粒状樹脂に付着させたものです。これが定着時に定着ローラーに付着することを防止するため、ワックスを含有させます。
レーザープリンタ用専用紙が出ていますが、メーカーより純正紙が出されているものもあります。インクジェットプリンタ用紙はコート層を熱で破壊するため、使用は避けてください。
プロセスの清掃時に説明した、転写後にドラム上で清掃されたトナー用です。
ということで今回は、多くの人にとって身近な存在である「レーザープリンタ」の基本を整理してみました。
家庭向けプリンタでは、以前テーマに挙げたインクジェットプリンタが主要な市場として占められています。
しかし、ホームオフィス分野のように、プリントボリュームが家庭向けより多く、ランニングコストを抑えたいというような要望を持ったユーザー向けには、レーザープリンタ市場が一番適した市場です。
今後も両プリンタは棲み分けをしながら、開発が進められていくものと思われます。
(日本アイアール株式会社 特許調査部 T・T)
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